夜遅くまでテレビを見ている方や、寝る間を惜しんでパソコンやインターネットゲームなどで遊んでいる方など、誘惑の多い現代社会では、ついつい夜更かししがちです。
また、残業で帰りが遅くなり寝る時間が取れない、仕事や家事のストレスにより寝付けないなどで十分な睡眠時間が取れない方も多いはず。
しかし睡眠不足は、私たちの体や心にさまざまな影響をおよぼしています。
そして睡眠時間と同様に、睡眠の質も健康的な体を保つためには重要なのです。
眠る時間はしっかりとったけど眠りが浅く、夜中に何度も起きてしまい朝に疲れが残っていることはありませんか?
朝スッキリ目覚められなくて身体がだるい、仕事中いつも眠いなどの原因は、眠りの質が悪いために起こる症状なのです。質の悪い睡眠は改善させることが必要です。
ちょっとした生活習慣の工夫で朝はスッキリと目覚められ、昼間は元気に活動し、夜になれば自然に眠くなり質の良い睡眠がとれるようになるのです。
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睡眠不足が体に与える影響とは?
睡眠不足は判断力、注意力、集中力に影響をおよぼします。思考力や問題解決の能力が低下するため、学習や仕事のパフォーマンスに悪影響が出てきます。
私たちの脳は、覚えた情報を睡眠中に脳へ記憶させるという作業を行います。受験生は特にしっかりと睡眠をとり、勉強した内容が頭へ記憶されるようにしたいところです。
十分な睡眠がとれないと、免疫機能が弱まり、感染症にかかりやすくなります。そして睡眠不足がつづくと慢性的な健康問題のリスクが高まります。
著書「あなたの人生を変える睡眠の法則」の中で次のように紹介されています。
「最近の研究から、睡眠の不足が五大生活習慣病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、精神疾患)の発祥と強く関係していることが明らかにされています。睡眠の不足が怖いのは、すぐに発祥するわけではなく、数年後、数十年後の病気の発祥と関係しているところです。」
「あなたの人生を変える睡眠の法則」著:菅原洋平
そして睡眠不足はうつ病や不安障害などを引き起こす可能性があり、十分な睡眠をとることは、心の健康にとっても大変重要なのです。
夜ぐっすり眠れない原因はなに?
日中の心配事や精神的なプレッシャーによるストレスや不安が、心身に影響を与えて睡眠の質を低下させていることがあります。ストレスのない生活を心がける必要があります。
デジタルデバイス(パソコンやスマートフォン)から放射されるブルーライトの明るい光は、目を刺激し、体内のメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を抑制します。それにより、眠りの質が低下され熟睡できなくなります。
パソコンの夜間使用は控え、就寝前のスマートフォンは夜間モードで使用するか、ブルーライトカットフィルターを装着させましょう。
部屋の明るさも睡眠に大きく影響しています。
人の体は、暗くなる夕方から夜間にかけてメラトニンの分泌が増え、夜になると自然と眠くなるようになっています。
しかし、夜でもずっと明るい光を浴びて生活していると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、なかなか眠れないということになります。
なので、夜は部屋の明るさを少し抑えて生活して、寝るときは部屋を暗くすると良いです。
太陽の光が身体を目覚めさせる
朝起きたら太陽の光を浴びてメラトニンを減らしましょう!
太陽の光を浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンを抑制させ、体を目覚めさせることができます。
人の体内時計は、24時間より少し(10分程度)長いとされています。そして光を浴びた時に体内時計はリセットされ、そこから一日がスタートするようになっています。
なので、朝目覚めた時にまずは、カーテンを開けて日光浴をしましょう!
なぜ日光浴が良いかというと、通常部屋の明かりは500ルクスとされており、太陽の明かりは5000ルクス以上もあるのです。(一般的な日中の直射日光の場合は、約1万ルクス以上にもなるそうです。)
なので、5分程度でもメラトニンを減らすことができるそうなので、朝は太陽の明るい光を浴びて、体をスッキリと目覚めさせましょう。
朝は太陽の光を浴びて、しっかりとメラトニンを減らして体を目覚めさせ、夜は明るさを抑えた環境で過ごしメラトニンの分泌を促進し、睡眠を誘発させましょう。
昼間起きている間にメラトニンを減らせば減らすほど、夜により多くのメラトニンが分泌されるようになり、睡眠を充実させることができるのです。それで翌朝スッキリと目覚められるということなのです。
眠りに入りやすい夜の生活習慣があります
夜の眠りがスムーズになるための朝食をとりましょう
「ぐっすり眠りたければ朝の朝食を変えなさい」(著:宮崎総一郎)の著書の中で、メラトニンの分泌量を増やすためには、メラトニンをつくる原料を体内に取り入れておく必要があると言っています。
それは「トリプトファン」という物質です。
メラトニンの原料は、トリプトファンという必須アミノ酸で、肉や魚、豆類、や乳製品などに多く含まれています。
トリプトファンは、すぐにメラトニンになるわけではなく、いったん「セロトニン」という物質に変化されます。そのセロトニンは光の刺激を受けることによりつくられるのです。
なので、夜にメラトニンを分泌させるためには、朝食でトリプトファンを摂取して、日中にセロトニンに変化させておかなければならないのです。
トリプトファンを多く含む食材は、肉、魚、鶏肉、大豆加工品、乳製品、ナッツ類、バナナなど。
ハムエッグ、納豆、卵焼き、味噌汁、焼き魚という日本の伝統的な朝食が睡眠改善にはいいと、宮崎総一郎さんは著書の中でおしゃっています。
昼寝は2、30分の仮眠程度にとどめることが良い
日中に30分以上の深い眠りをしてしまうと、夜の睡眠に影響を及ぼします。昼寝は15分程度の仮眠に留めましょう!
脳は一日に2回、8時間後と22時間後に眠気が起こるようになっていると、「著書:あなたの人生を変える睡眠の法則」の中で紹介されています。
6時起床の場合は、14時と明け方の4時になります。14時に眠くなるのはお昼を食べて満腹のせいではなく、そういうリズムが備わっているからなのですね。
対処法として、お昼に仮眠をとらなくても、5分ほど目をただ閉じているだけで14時の眠気を抑えられるそうです。参考になりますね!
夕食後のカフェイン摂取は控えましょう
夕食後のカフェイン摂取が浅い眠りの原因になります。
カフェインは中枢神経に働きかけ、脳を覚醒する作用があります。
というよりは、脳の覚醒作用を抑える物質(アデノシン)がカフェインにより効かなくなり、脳が眠らなくなってしまうのです。
カフェイン摂取後、その効果は約4~6時間ほど持続します。そのため、就寝前にカフェインを摂取すると、入眠に時間がかかったり、眠りを妨げたりします。
寝る1時間くらい前に軽い運動やストレッチがおすすめ
適度な運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、リラックスに関連するホルモンであるセロトニンの分泌を促進します。
軽い運動によって体温は上昇し、運動後に体温が下がることにより、睡眠が導入されやすくなり深い眠りに入れるのです。
疲れている場合は、軽い運動やストレッチにより筋肉の緊張を緩和し、体の不快感が軽減されて快適な睡眠が促進されます。
眠る1~2時間前にお風呂のお湯につかるのがおすすめ
人は眠る前に体温が下がりはじめることで、睡眠の導入が促されます。
熱いお湯の場合は2時間前に、ぬるめのお湯の時は一時間前に入ると良いそうです。
美容に良いゴールデンタイムとは?
美容に良いとされる睡眠のゴールデンタイムは、一般的に22時から午前2時と言われていますが。
それには個人差があり、必ずしもすべての人にとって22時から2時が最適とは限りません。
成長ホルモンは眠り始めてから3時間くらいまでに分泌され、眠りが深いほど成長ホルモンの分泌は増えます。
成長ホルモンは細胞の修復や再生、ホルモンバランスの調整など、美容に関連するプロセスに重要な役割を果たしています。
大切なのは、何時に寝ようと十分な睡眠がとれていることなのです。